槍ヶ岳北鎌尾根 (10.09.19登頂) その1        その2へ    山行粗描へ

【メンバー】荘司・児玉(北鎌組),今野・栗谷(水俣乗越ピストン組)

 よく知られた北鎌尾根から槍ヶ岳へ登る計画を本荘山の会で行うこととし、会員4人の参加が決まった。
コースは上高地から水俣乗越を経て北鎌沢右俣から北鎌尾根P7とP8の間の北鎌沢コルへ登り、槍ヶ岳山頂に至る近年多く利用されているルートである。
北鎌尾根は加藤文太郎や「風雪のビバーク」(松涛明 まつなみあきら)などで知られたある意味で古典的なバリエーションルートである。

 さて、調べていく中でこのルートの核心は北鎌沢右俣上部で、よく間違って困難なルンゼに入り込むことがあり、注意が必要だということが分かった。
他には「U〜V級のグレードで問題なく、槍ヶ岳山頂直下のチムニーは面白い。ザイルもハーネスもヘルメットも不要だった」という友人からのアドバイスがあった。
 本会の若手、児玉君がテント・ザイルなど装備を持ってくれるというのでロートル組はザックも軽く、天候も良さそうであり、楽しい登山ができる予定であった。

17日(金)西目の荘司宅で4人が落ち合い、児玉君の車で14:30出発。新潟・上越・松本経由で23:00過ぎに沢渡の足湯駐車場でテント泊。
18日(土)4:00起床、5:00タクシーで上高地へ、同発5:50久しぶりの上高地は相変わらず人が多く、観光客と登山者が半々ぐらいだ。広く車も通れる水平歩道を明神〜徳沢〜横尾〜槍沢ロッジ〜大曲(10:55)と快調なペースで進む。水俣乗越の400mの登りはさすがにきついが、ほぼ予定通りに到着、そこからの下りのザレ場ではツアー登山者による落石があり、肝を冷やす。14:15北鎌沢出合着。すでに7〜8パーティの天幕あり。北鎌沢の見える天井沢右岸に整地された場所を見つけ天幕を張る。明日のルート右俣が上部までよく見え、地図と見比べたり互いに検討を行う。その後も続々と登山者が到着、13〜4の天幕村が出来る。

10:16 ババ平キャンプ場 10:55大曲(水俣分岐)直前の沢で水汲み 12:45水俣(みなまた)乗越
天上沢から北釜沢を見上げる 14:48天上沢のテント 川原のキャンプ場

「北鎌沢の罠」左俣
19日(日)2:50起床。オニギリとミソ汁で朝食を済ませ、テントをたたんで出発。すでに沢の上・下流でライトが動き始めていた。ツアー登山の後になっては時間がかかるとヘッドランプを点け最初に出発。すぐに単独登山者に追い抜かれる。本流に沿って先へ進む。右俣の出合を見逃し、先行者もいることから何の疑いも持たず、1時間ほど北鎌沢左俣上流まで登り、大きな岩の地点で水を汲む。踏み跡が多くあり、ケルンまである。

5:29北鎌沢左俣上部、雪渓の右にルンゼ 5:29ルンゼ ブロック雪崩の雪渓
北鎌沢左俣大岩、ケルンあり 左俣上部右ルンゼ 5:59登る

 三つのルンゼが現れ、左は登れそうにない急なガレ場が上へ続く。中央のルンゼが本流で、両岸が衝立した岩の中、大きな雪渓が崩落していて登れそうにない。先行した登山者が右ルンゼ側の潅木帯を登っていく。水を汲みながら「沢を間違えていないか」との疑問の声があったが、後方から男女ペアの登山者が登ってくるのを見て、右のルンゼを登ることとする。さして困難ではないルンゼを100mほど登って行き詰まる。
 岩稜にハーケンが打たれ、上部にスリングも見える。これは間違ったルートに来たことを悟る。そこへ男女の完全装備・太いザイルでアンザイレンしたペアが来てここは「北鎌沢の罠」と呼ばれるところだと教えてくれた。「本来雪渓のあるルンゼを行くのだが、崩落して行けないので自分たちも初めてだが、このルンゼを登る」という。
 この時点で我々は即下山することにする。下山中、栗谷がルンゼで数メートルスリップし小指を負傷する。二又まで下って、右俣を確認。8時50分すでに4時間半を経過しパーティのテンションも下がる。4人で協議し、負傷した栗谷に今野が付き添い下山する。荘司・児玉は槍山頂まで行き、槍ヶ岳山荘へ泊まる。無理なら途中ビバークと決めた。

約5時間のビハインドに不安を抱えながら、北鎌沢右俣を登る。本当の「北鎌沢の罠」はこの右俣の上部にあるのだが、そこは難なくクリヤし10:30コルへ抜ける。(荘司記す)

10:23北鎌沢コルより三俣 鷲羽岳方面 10:35大天井岳 11:09北鎌沢左俣上部
11:10右のピークは水晶岳 11:10水晶岳 烏帽子岳 11:10大天井岳と貧乏沢

その2へ   山行粗描へ    

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送